2008/02/24 (Sun) 01:52:21
先日書いたエントリ「マネックス証券、2008年3月の貸株金利を大幅UP」であるが、この件は他のいくつかのblogでも取り上げられている。でも好感するというよりはリスクが高いと評価する方も多いようであり、今回は私の思うことを書いてみたいと思う。
貸株サービスは簡単に言うと、自分の保有する株式を証券会社に貸し出し、その見返りに貸株金利を受け取るサービスである。株式を借りた証券会社はその株式をさらに別の証券会社やヘッジファンドなどへ貸し出して金利を受け取るというつながりになっている。株式を空売り(株式を持っていなくても借りてきて売る、売った株式は後で買い戻して借りた株式を返す)場合などで需要があり、わずかな株式しか保有しない個人投資家でも何人も集まれば多くの株式を集められることになり、株式の出し手として注目され、貸株サービスが考えられたものと思われる。
貸株金利であるが0.55%というと4、5年定期預金の金利に相当する水準で、個人にとってはかなり魅力的な水準である。株式を長期間保有している人にとっては貸株にすることでその間定期預金並みの金利が受け取れるというのは非常にありがたいことだ。
しかし、貸株サービスにはリスクもある。株式を貸し出した先の証券会社等が破綻した場合に貸し出した株式が戻ってこない可能性があるのだ。これは「ほふり」などに預ける場合と違って、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する「分別管理」の対象外となるからだ。0.5%程度の金利が魅力的だとは言え、この程度の金利を得たいがために貸株にして、結果的に貸し出した株が戻ってこなければ大きな損失となるのである。
貸し出した株が戻ってこなくなる可能性をどの程度と見るかで、貸株サービスが有益なサービスなのか、それともリターンよりリスクの方が大きいメリットの無いサービスなのかが変わってくる。
マネックスの場合、貸株サービスはもう5年以上前から行われていると思うが、貸株サービスをはじめた当初はマネックスの業績が赤字基調で、自己資本も食いつぶすような状況だったと思う。だからこの時には貸株サービスは結構リスクが高いなあと個人的には思っていた。だが、その後、マネックスは黒字体質になってきており、バランスシートやこのところの業績を見る限りは破綻の可能性は以前に比べるとかなり低いはずだとも思っていた。
だが、たけくらべさんがご自身のblogのエントリ「貸株サービスはとりあえず見送り」で書いたコメントの内容が印象的であった。
確かに誤発注により一瞬にして巨額の損失を抱えてしまう例は過去に何度か大きなニュースになった。業績が好調で自己資本を厚くすることができ、借入金を減らして、財務的には強い体質を築いたとしても、ある一つの間違いで一瞬にして破綻を迎えるような損失を発生させてしまう可能性はゼロとは言えないのだ。
ただ、貸し出した先の証券会社等がすぐに破綻する可能性はゼロとは言えないが、どのくらいかというのは見積もるのは非常に難しい。だから貸株サービスが良いのか悪いのかは、人によって大きく変わるのではないだろうか。それぞれの人がそういうリスクが存在することをしっかりと認識した上で、利用するかしないかを考えるしかないと思う。
私個人は、マネックスには誤発注などを起こさないような社内システム等がそれなりにできているという期待を持って、貸株サービスを利用したいという気持ちが強いが、それは定量的なリスクを見積もっての話ではなく単なる期待からのものであるため、あまり説得力はない。貸株サービスの利用をしようと思っている人はもう一度リスクの存在とその大きさを自分なりに考えて決めた方が良いかもしれないと思う。
貸株サービスは簡単に言うと、自分の保有する株式を証券会社に貸し出し、その見返りに貸株金利を受け取るサービスである。株式を借りた証券会社はその株式をさらに別の証券会社やヘッジファンドなどへ貸し出して金利を受け取るというつながりになっている。株式を空売り(株式を持っていなくても借りてきて売る、売った株式は後で買い戻して借りた株式を返す)場合などで需要があり、わずかな株式しか保有しない個人投資家でも何人も集まれば多くの株式を集められることになり、株式の出し手として注目され、貸株サービスが考えられたものと思われる。
貸株金利であるが0.55%というと4、5年定期預金の金利に相当する水準で、個人にとってはかなり魅力的な水準である。株式を長期間保有している人にとっては貸株にすることでその間定期預金並みの金利が受け取れるというのは非常にありがたいことだ。
しかし、貸株サービスにはリスクもある。株式を貸し出した先の証券会社等が破綻した場合に貸し出した株式が戻ってこない可能性があるのだ。これは「ほふり」などに預ける場合と違って、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する「分別管理」の対象外となるからだ。0.5%程度の金利が魅力的だとは言え、この程度の金利を得たいがために貸株にして、結果的に貸し出した株が戻ってこなければ大きな損失となるのである。
貸し出した株が戻ってこなくなる可能性をどの程度と見るかで、貸株サービスが有益なサービスなのか、それともリターンよりリスクの方が大きいメリットの無いサービスなのかが変わってくる。
マネックスの場合、貸株サービスはもう5年以上前から行われていると思うが、貸株サービスをはじめた当初はマネックスの業績が赤字基調で、自己資本も食いつぶすような状況だったと思う。だからこの時には貸株サービスは結構リスクが高いなあと個人的には思っていた。だが、その後、マネックスは黒字体質になってきており、バランスシートやこのところの業績を見る限りは破綻の可能性は以前に比べるとかなり低いはずだとも思っていた。
だが、たけくらべさんがご自身のblogのエントリ「貸株サービスはとりあえず見送り」で書いたコメントの内容が印象的であった。
例えば、自己売買をしていない証券会社であっても、コールセンターでの顧客からの発注取次などで、オペレーションミスが発生する可能性は否定できないと思います。誤発注を防ぐ仕組みは幾重にも存在するでしょうから、過敏になる必要はなさそうですが、一抹の不安を感じます。
確かに誤発注により一瞬にして巨額の損失を抱えてしまう例は過去に何度か大きなニュースになった。業績が好調で自己資本を厚くすることができ、借入金を減らして、財務的には強い体質を築いたとしても、ある一つの間違いで一瞬にして破綻を迎えるような損失を発生させてしまう可能性はゼロとは言えないのだ。
ただ、貸し出した先の証券会社等がすぐに破綻する可能性はゼロとは言えないが、どのくらいかというのは見積もるのは非常に難しい。だから貸株サービスが良いのか悪いのかは、人によって大きく変わるのではないだろうか。それぞれの人がそういうリスクが存在することをしっかりと認識した上で、利用するかしないかを考えるしかないと思う。
私個人は、マネックスには誤発注などを起こさないような社内システム等がそれなりにできているという期待を持って、貸株サービスを利用したいという気持ちが強いが、それは定量的なリスクを見積もっての話ではなく単なる期待からのものであるため、あまり説得力はない。貸株サービスの利用をしようと思っている人はもう一度リスクの存在とその大きさを自分なりに考えて決めた方が良いかもしれないと思う。
こんばんは。
私はマネックスの貸し株利用してます。
信用リスクが有るという意味では、株券を担保にマネックスの社債買っているようなものだと思ってます。
なので、金融資産の全部を貸し株にしたいとは思いませんが、マネックスの社債を買ってもいいかなという金額分ぐらいだったら、利用してもいいかなと思っています。
万が一マネックスに何かが有っても、諦めがつく程度の金額で。
私はマネックスの貸し株利用してます。
信用リスクが有るという意味では、株券を担保にマネックスの社債買っているようなものだと思ってます。
なので、金融資産の全部を貸し株にしたいとは思いませんが、マネックスの社債を買ってもいいかなという金額分ぐらいだったら、利用してもいいかなと思っています。
万が一マネックスに何かが有っても、諦めがつく程度の金額で。
>staygold さん
おっしゃるように全部を貸株にせず一部を貸株にして金利を得るというのは良いですね。世界分散投資をしていれば貸株にできる分も限られ
ますし、貸株にできる分を全て貸株にしても、万が一のことが起こった場合に資産全部を失うことにはならないですね。
万が一のことは起こってほしくはありませんが、起こった時に後悔しないように、リスクの存在とその大きさを考えておくべきだと、あらためて思いました。
おっしゃるように全部を貸株にせず一部を貸株にして金利を得るというのは良いですね。世界分散投資をしていれば貸株にできる分も限られ
ますし、貸株にできる分を全て貸株にしても、万が一のことが起こった場合に資産全部を失うことにはならないですね。
万が一のことは起こってほしくはありませんが、起こった時に後悔しないように、リスクの存在とその大きさを考えておくべきだと、あらためて思いました。
社債の場合には格付けがあって、それに応じて
国債よりも金利がよくなっていると思います。
マネックスの社債についても、
同じように、国債にくらべてのプレミアム分があるでしょう。
それとくらべて、貸株金利0.55%が有利か不利なのか。
マネックスが急に破綻してしまってはどうにもなりませんが、
やばそうということであれば数日で貸株解除はできます。
そう考えると、マネックスの社債をもつよりは安全かなと思います。
ただ、全資産をマネックスの社債でもつということはないでしょうから、全資産の何%を貸株するかということは考えないといけないでしょうねぇ。
国債よりも金利がよくなっていると思います。
マネックスの社債についても、
同じように、国債にくらべてのプレミアム分があるでしょう。
それとくらべて、貸株金利0.55%が有利か不利なのか。
マネックスが急に破綻してしまってはどうにもなりませんが、
やばそうということであれば数日で貸株解除はできます。
そう考えると、マネックスの社債をもつよりは安全かなと思います。
ただ、全資産をマネックスの社債でもつということはないでしょうから、全資産の何%を貸株するかということは考えないといけないでしょうねぇ。
2008-03-05 水 11:32:54 |
URL |
社債 #- [ 編集]
>社債 さん
おっしゃることは概ねその通りだと思います。ただ、債券投資として考えると、破綻して戻ってこないのが、現金の場合と、将来何倍にも値上がりするかもしれない株式の場合とでは、そこにはやはり大きな差があるのかなという気が個人的にはします。ですので、社債に例えるのは「そういう例えもあるのか、なるほど」と思いますが、全く同列には考えられないように私自身は思います。
最後に書かれているように資産の一部にするなど、リスクの存在を認識するべきなのは、そのとおりだと思います。
おっしゃることは概ねその通りだと思います。ただ、債券投資として考えると、破綻して戻ってこないのが、現金の場合と、将来何倍にも値上がりするかもしれない株式の場合とでは、そこにはやはり大きな差があるのかなという気が個人的にはします。ですので、社債に例えるのは「そういう例えもあるのか、なるほど」と思いますが、全く同列には考えられないように私自身は思います。
最後に書かれているように資産の一部にするなど、リスクの存在を認識するべきなのは、そのとおりだと思います。
昔、山一証券が土曜日の朝破綻しました。
自分は山一の株式を営業マンのすすめもあり
買い増していましたが、この日をもってただの
紙くず。嫌な経験でした。
貸株サービスも魅力的に映りましたが、この
経験から契約上の条文を読んだところで止めました。
何となく危険な香りを感じましたから。
自分は山一の株式を営業マンのすすめもあり
買い増していましたが、この日をもってただの
紙くず。嫌な経験でした。
貸株サービスも魅力的に映りましたが、この
経験から契約上の条文を読んだところで止めました。
何となく危険な香りを感じましたから。
2008-05-31 土 15:38:18 |
URL |
まさひろお父さん #- [ 編集]
>まさひろお父さん さん
山一證券の破綻はTVニュースで報道されて大きな騒ぎになっていたのを覚えています。
実際に破綻して紙くずになってしまった経験をしてしまうとトラウマにもなりますね。貸株サービスは貸株サービスを行う会社が破綻した例がないので、破綻した場合に貸した株がどうなるのかイメージができず(全て戻ってこない場合ばかりでもないと思います)、リスクの大きさもなかなか測れないように思います。私自身、リスクの大きさは測りかねています。
山一證券の破綻はTVニュースで報道されて大きな騒ぎになっていたのを覚えています。
実際に破綻して紙くずになってしまった経験をしてしまうとトラウマにもなりますね。貸株サービスは貸株サービスを行う会社が破綻した例がないので、破綻した場合に貸した株がどうなるのかイメージができず(全て戻ってこない場合ばかりでもないと思います)、リスクの大きさもなかなか測れないように思います。私自身、リスクの大きさは測りかねています。









