2008/05/15 (Thu) 01:40:46

株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド
ジェレミー・シーゲル氏著の「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」を読んでみた。昨年の今頃、同氏の「株式投資の未来〜永続する会社が本当の利益をもたらす」を読んだのだが、オリジナリティのある面白い内容だったので、「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」もぜひ読んでみたいと思っていた。ようやく読むことができたのだが、この本も良い内容の本だった。
まず、感じたのは、非常に多くのデータを分析し、その分析結果に基づいた論理展開をしており、自分の偏った主観的な考えだけで論理展開を行っていないところだ。データは当然過去のもので将来も同様な結果になるとは限らないが、大量のデータを定量的に分析するとかなりの説得力を感じるものである。データの扱い方によってはバイアスがかかることも多いが、その点は読む側がきちんと気をつけて読む必要はあろう。
最も興味深かったのは、第12章の「株式と景気循環」である。株価と景気には密接な関係があり、景気の底で株を買い、景気の天井で株を売れば大きな利益を上げられそうである。この本にも「景気循環を正しく予測することで得られる利益は非常に大きい」と書かれている。だが、予測はしばしば外れ、過去の分析の結果からは、「景気の転換点を正しく言い当てられたケースはほとんどない」ということだ。
他にも第13章の「金融市場に影響を与える世界的な事件」では、いくつかの事件を取り上げ、その事件が起こった時に株価はどのように反応したかを非常によく表現している。これを読むと、多少大きな事件が起こって株価が大きく反応することがあったとしても、ある程度想像がつく部分もあり、それほど慌てることがないように感じる。
第19章の「行動ファイナンスと投資の心理」も対話形式で読みやすく、ためになる内容であった。ここに出てくる「投資カウンセラー」のような人が実在するなら、ぜひ一度相談してみたいと思うほどの人だ。
投資方法としては、銘柄分散、長期投資、インデックスファンドのバイ・アンド・ホールドなどを基本とする内容で、これだけを見ると「ウォール街のランダムウォーカー」などを読んだ人にとっては目新しい内容は無いと思うかもしれないが、データ分析を多く取り入れ、それに基づいた話の展開は、また別の味わいを醸し出している。分厚く、中には難しい内容もあるが、投資のためには読む価値のある良い内容の本だと思った。









